総務省 プログラミング教育実証事業の成果発表会を開催
~若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業の取り組み~
総務省は3月30日、「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」実証事業等に係わる成果発表会を開催しました。基調講演を行なった総務省の情報通信利用促進課長の御厩祐司氏の発表資料からプログラミング教育の実証事業のねらいや、成果について紐解きます。
2020年度から小学校でもプログラミング教育が必修化される予定ですが、学校教育の現場では、学校が独自で学習内容を組み立てていく必要があることから、指導者や教材、指導ノウハウの不足、ICT環境整備の遅れが課題となっています。
また、プログラミング教育の取り組みは活発となっているものの、プログラミング教室やイベントの過半数は関東に集中しているのが現実です。 このような現状をふまえ、総務省は平成28年度から実証事業をスタートさせました。
事業はプログラミング教育に関するノウハウをもった民間(大学)が主導で行っています。
全国どこでも持続的に実施できるプログラミング教育のモデルを構築・普及するために、地域の人材を指導者として育成することと、教材のコンテンツや指導ノウハウ等をインターネット(クラウド)上で共有・活用できることを目的としています。
実際に実証実験の授業に参加した子どもたちに、その満足度を聞いてみると、9割以上がプログラミングをすることと講座の内容が楽しかったと回答しています。(下図参照)
また、プログラミングの授業を受講する中で、アプリやゲームが動く仕組みを理解したり、友達と協力して作業(課題)に取り組めたり、自分なりの考えを取り入れたり、工夫することができたと回答する子どもが多く、課題を取り組むことに対する達成感も感じられたようです。
保護者からのアンケートでも、「今後も子供にプログラミングをさせたいか」という問いに対し、8割以上が「続けさせたい」と回答。プログラミングの悪用や依存などの心配の声もある一方で、プログラミング教育を通じて、子どもの変化を感じ、その教育の意義を実感しているようです。
子どもたちがいつもと違った授業の内容を楽しそうに説明したり、再現するのをみることで、保護者自身が関心を深めたり、プログラミング的思考を学ぶことで、他のことにも意欲的に取り組むようになったと感じる保護者も多いようでした。
プログラミングの学習方法にはまだ様々な課題も残りますが、子どもたちへのアプローチの仕方も多様にあります。今回の発表を参考に、新たな取り組みも模索することでプログラミング教育の可能性がさらに広がっていきそうです。今後の実証事業にも注目です。
参考資料
プログラミング教育に関する総務省の取組
総務省 情報通信利用促進課長 御厩 祐司氏 基調講演資料
http://www.soumu.go.jp/main_content/000477738.pdf
若年層に対するプログラミング教育の推進に4億円を計上
https://edu.gramin.jp/post/2016092101/