子ども向けプログラミング教育市場 5年後には250億円超に拡大と予測
子ども向けプログラミング教育市場 5年後には250億円超に拡大と予測
「2019年子ども向けプログラミング教育市場調査」より
2019年4月、GMOメディア株式会社が運営するプログラミング教育ポータルサイト「コエテコbyGMO(以下、コエテコ)」は、株式会社船井総合研究所と共同で、「2019年子ども向けプログラミング教育市場調査」を実施し、結果を公表しました。 (調査期間は2019年1月~2019年2月、民間運営で月謝制の継続受講型の子ども向けプログラミング教室・スクールを対象に調査)
2019年の市場規模は114億2000万円と前年と比べて約26%増の見込みとなりました。この後も来年の小学生のプログラミング教育必修化の影響があることから、増加傾向は継続し、5年後の2024年には257億3000万円、2030年までには1000億円超える巨大マーケットになる可能性もあると試算しています。
【図1】
今後の市場規模の継続的な拡大に向けて、4つのポイントを示しています。
1点目は、対象年齢の拡充が挙げられています。現在は小学生を対象としたプログラミング教室の数が増加が顕著になっていますが、プログラミング教育の必修化がスタートすることで、継続的な学習が大切になっていきます。このため、中高校生向けのプログラミング教室の開設でより高度な学習をしたり、未就学児を対象としたプログラミングを学べるスクールも増加するのではないかと予想しています。
2点目は、低価格なプログラミング教室の増加になります。習い事の中では比較的高価格な受講料となるプログラミングスクールが多い中で、低価格で高品質な学びを提供するスクールも徐々に増えてきている状況にあります。
6月にコエテコが開催したプログラミング教育市場に関するセミナーでも、月謝が高額なことが影響し、体験授業やイベントには参加するけれども、教室には入会しないケースが多いと指摘していることから、教室の運営側が今後、多様な教室スタイルと保護者のニーズを模索していく中で、習い事としてプログラミングを選択するケースが増えていくのではないかと考えているようです。
3点目に挙げられているのが、女児の参加率の上昇です。現状ではプログラミング教室に通うおよそ8割が男児となっています。将来を見据えたプログラミング教育の関心がさらに高まれば、女児の生徒数も増加も見込まれると予測しています。
最後に、プログラミング教育の価値の市場への浸透が大きなカギになるのではと期待されています。2021年から始まる大学入学共通テストにおいて、2024年以降プログラミングなどの情報科目を導入を検討する動きがあることから(2021年度を目途に策定・公表予定)、今後の動向によっては、市場価値はさらに飛躍的な成長が見込まれそうです。
プログラミング教育は、就学前から大学まで、長い期間をかけて学んでいく「教科」に醸成していく過程で、その年次にあった切り口で学習方法を模索していき、今後も市場規模は継続的に成長していくことが予測されています。政府も未来投資会議の中で、IT人材の育成に関する検討をしているところなので、さらに子供のプログラミング教育とその市場の注目度は高まりそうです。
参考
GMO メディア株式会社 プレスリリース https://www.gmo.jp/pdf/news/gmo_news_6416.pdf
プログラミング教育関連市場、2025年度に230億円規模へ https://edu.gramin.jp/post/2018051201/
プログラミング教育市場の極秘情報も飛び出したコエテコ×船井総研セミナーレポート https://coeteco.jp/articles/10555